2010年1月17日日曜日
少年兵らにとって戦争は「ゲーム」だった、ハーグ国際法廷で専門家が証言
国連の子どもと武力紛争に関する特別代表のラディカ・クマラスワミ(Radhika Coomaraswamy)氏は、法廷で、「15歳以下の子どもは死の概念が希薄で、それが戦闘では恐れ知らずの大胆さを招き、戦闘をゲーム感覚でとらえて最前線に突進していくことにもなる。こうした理由から、子どもを兵士として使うことは特に虐待的だ」と証言した。
■「子どもたちはほかに選択肢がなかった」
ルバンガ被告は、1997~2002年のコンゴ内戦時、15歳以下の子どもをUPCの戦闘要員として徴集したとして戦争犯罪で起訴され、前年1月に公判が開始された。初公判で、同被告は罪状を否認した。
公判は、予定から数か月ずれ込んだ今月7日に再開され、専門家の証人としてクマラスワミ氏が召喚された。
クマラスワミ氏は、「部族間の紛争においては、子どもたちは『自分たちの部族のために死ぬ』といったロマンチックで英雄的な死の概念に容易に捕らわれてしまう」と証言。
また、「極度の貧困の中、あるいは親から虐待を受けるなか、自分自身を養うためには武装集団に加わる以外に選択肢がなかった、と打ち明けてくれた子どもがたくさんいる」と述べ、法廷に対し、少年兵の多くが「志願兵」だったことをあまり重視しないよう求めた。
さらに、クマラスワミ氏は「子どもたちを特別のカテゴリーとして扱い、彼らの弱さを保護するための枠組みを作るべき」と述べた。
■少女たちは性の奴隷に
検察側によると、UPCの民兵らは民家や学校やサッカー場から子どもたち(最低年齢11歳)を誘拐し、軍事訓練キャンプに連行して暴行を加えたり薬物を与えたりした。少女たちは、性の奴隷にされていたという。
少年兵らは、2002年9月から03年8月までの戦闘に参加していたとされる。(c)AFP
2009年11月22日日曜日
「戦争は貧困と失業のせい」、アフガン国民の認識が明らかに
「The Cost of War(戦争の代償)」と題された報告書は、戦争で荒廃した同国の様子を浮き彫りにするとともに、同国政府に法の整備、警察組織と司法制度の立て直しのほか、汚職の取り締まり強化、刑事免責や利益供与の慣習撲滅を促している。
■戦争の原因は「貧困」
この調査は、国際支援団体オックスファム(Oxfam)とアフガニスタンの地元団体が共同で、今年1月~4月に14州からランダム抽出した男女704人を対象に行ったもので、1978年のクーデターとそれに続くソ連の軍事介入を発端とする30年間におよぶ戦争が一般市民にどのような影響を与えたかをまとめた。
その結果、戦争の主な要因として70%が「失業」と「貧困」を挙げ、48%が「汚職」と「機能していない政府」と回答した。
■国際援助の実感なし
アフガニスタンでは国民の半数近くが貧困ラインを下回る生活をしており、25万人以上が国内避難民となっている。報告書は「多くのアフガン人は、(政府や国際社会は)数々の約束をするが、実際に人々が恩恵を受けることはほとんどないと感じている。これが欲求不満や失望を招き、最終的に安定を揺るがしている」と指摘。汚職を撲滅し、経済発展と必要な人に届く支援を確実にするよりよい方法を取るよう国際社会に呼びかけている。
また、戦争当事者に対しては、武装勢力と国際支援部隊の双方に対し、一般人の安全を最優先とすることを強く求めている。(c)AFP/Ian Timberlake
2009年3月18日水曜日
「第5世代の戦争」:理念の衝突すらない、突発的な暴力の時代
Photo: David Axe
軍事理論の専門家たちはこの数年というもの、もっぱら「第4世代戦争」について考えてきた。これは、[領土や資源をめぐる衝突というよりは]理念の衝突であり、「グローバル・ゲリラ」の概念を唱える著述家のJohn Robb氏が、「アドホックな兵士」と呼ぶ者たちによって遂行されるものだ。
[ウェブサイトや衛星電話、国際的な物資調達、24時間放送のケーブルニュース、銀行口座への即時送金などによって、同じイデオロギー、あるいは同じ敵を持つ者は、たとえ何千キロ離れていたとしても団結することができる。John Robb氏は、これを「オープンソース戦争」と呼んでいる(日本語版記事)。アドホックな兵士とは、組織化された従来型の軍隊ではなく、その都度形成されるようなタイプの戦闘員]
「第4世代戦争」の前の「第3世代戦争」というのは、産業化の時代を背景に、従来型の軍隊が領土や資源をめぐって戦った戦争だった。米国とその同盟国は、従来から第3世代戦争を得意としてきたが、5年間におよぶイラク戦争を通して、第4世代戦争についてもかなり腕を上げつつある。とくに、原理主義者の世界観を受け入れないよう、一般のイラクの人々に呼びかけることにかけてはかなりのものだ。
しかし、「第5世代」と呼ばれる次世代の戦争には、第3世代におけるような軍隊もなく、さらに、第4世代におけるような明確な理念もない。
アフリカ担当のトップ情報部員である米国陸軍のShannon Beebe少佐はこれを「暴力の渦(vortex of violence)」と呼んでいる。将来を見据えた首尾一貫した計画というよりも、フラストレーションをより大きな動機とした、何のルールもない突然の破壊だ。
第5世代戦争は、不満を抱える世界の人々がその絶望を、より高度に組織された第4世代戦争の兵士が開拓した戦術と戦場を利用して、自分たちに欠けているすべてのものを最もわかりやすく体現するシンボルに向けた時に起きるものだ。そのシンボルとは、世界で唯一の超大国、米国のことだ。
第5世代戦争の戦闘員たちは、自らの武器として政治的な「膠着状態」を好む、と主張するのは、海兵隊のStanton Coerr中佐だ。同中佐は、海兵隊の専門誌『Marine Corps Gazette』の記事で、以下のように主張している。
「第5世代戦争の戦闘員たちが勝利に至る手段は……非宗教的な軍事力の無能さを際だたせるというものだ。(中略)第5世代戦争の戦闘員たちは"負けない"ことで勝利するのに対し、われわれは"勝たない"ことで負けてしまう」
意外な場所が「戦場」となる――サイバースペース、クリーブランドの上水道システム、ウォール街の金融システム、『YouTube』などだ。その目的は恐怖心を植え付ける点にあり、狙いは成功するだろう。
Coerr中佐は、第5世代戦争は、アルカイダが信奉する世界的なイスラムのジハード(聖戦)に根ざしていると指摘する。しかしだからといって、第5世代戦争の戦闘員が明確なイデオロギーを持ち、現行のものとは違う政治システムを打ち立てる熱意があるというわけでは必ずしもない。彼らは日和見主義者で、頭にあるのは破壊だけだ。
ただし、脈絡がないように見える暴力でさえ、屈折した論理を持つことはありうる。突然の不合理な破壊が、「国家――とくに最も力を持った米国――が現代世界において存続可能だ」といういう考えをむしばんでいくのだ。
それでは、第5世代戦争の敵を打ち負かすにはどうすればよいのだろうか。まず何より、戦わないことだ。Beebe少佐は、アフリカにおける暴力の渦を終わらせるには、「国境を越えてこうした不安定な状態を生み出す、人々の置かれた状況」を解消することが必要だと話している。つまり、自動小銃の『M16』やエイブラムス戦車をちらつかせることなく、経済発展、人道的支援、およびコミュニケーションに注力するべきだということだ。
Coerr中佐の表現を借りるなら、「成功の度合いは、輸出される暴力に反比例するだろう」ということだ。
