2008年10月4日土曜日

冷戦時代に逆戻り? 「自信とプライド」を取り戻すロシア空軍兵たち

【10月1日 AFP】核爆弾搭載可能の爆撃機が駐機する、ロシア南部のエンゲルス(Engels)空軍基地には、ソ連時代の「栄光の日々」が戻りつつある。兵士たちにとって、米国はもはや眼中にはない。指令があれば、ただちに世界のどこへでも赴く準備ができている。

 8月、グルジア紛争が勃発する前に、ボルガ川(Volga river)沿いのこの基地に外国メディアが招かれた。冷戦時代には「最高機密」とされてきたこの基地の取材が許可されるのは、異例のことだ。滑走路には、戦略爆撃機Tu-160およびTu-95が20機以上並んでいる。Tu-160は、コンコルドのような流線型をしていることから「白鳥」の異名を持つ。Tu-95は冷戦時代、NATO軍の間で「ベア」の呼称で知られていた。

 ロシアは今月、原子力巡洋艦や爆撃機を冷戦以来初めてカリブ海に派遣し、ベネズエラとの合同軍事訓練を行っている。米国への挑発行為とも受け止められている。

 ソ連時代のインフラとハイテク機器が混在するこの基地のカフェテリアで、インタビューに応じたパイロットのOleg Mikhailishchinさんは「古き良き時代が戻ってきた」と話す。カフェテリア内は、ソ連時代の赤い紋章で埋め尽くされている。

 ロシア空軍は2007年8月、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領(当時)の命を受け、戦略爆撃機の長距離偵察を15年ぶりに再開した。ロシアが全世界に「新たな自信」を見せつけるかのような偵察飛行は、西側諸国の間に動揺を与えている。

■プライドを取り戻す空軍兵士たち

 しかし、ここエンゲルス基地では、ソ連の崩壊とともに失われたプライドが取り戻されようとしている。

「状況は良くなりつつある」と語るのは、Alexander Khaberov中佐(36)。Tu-160で北大西洋の12時間の偵察飛行を終えてきたばかりだ。飛行中、英国とノルウェーの空軍機のスクランブル発進を受けた。

 Tu-95での訓練に向かうGennady Stekachyov飛行指揮官(39)は、「必要とされていると感じるのは、すばらしいことだ」と話す。

 1950年代に開発されたTu-95は、1961年にソ連北部のノヴァヤゼムリャ(Novaya Zemlya)島上空で史上最大の水爆実験を行った。Tu-160は1980年代に製造が開始された。

 米国が東欧にミサイル防衛システムを配備するのに対抗して、ロシアはTu-95やTu-160をキューバに配備する予定だと報道されていることについて質問すると、Stekachyov飛行指揮官は「キューバに行けと言われたら、行くだろう。国益にかなうことはすべて正しい」と答えた。

 飛行指揮官は「すばらしかったあの時代をこの基地で過ごした。それから低迷期に突入した」と話すと、ボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)大統領(当時)が1990年代に米大統領と締結した軍縮条約に思いを巡らし、顔をくもらせた。この条約のもとでエンゲルス基地は縮小されたのだ。将校や元パイロットは、「栄光を米国人に持っていかれた」「われわれは屈服した。ソ連の全国民にとって心が痛む選択だった」と口をそろえる。

 米国との軍縮条約が辛い思い出だっただけに、長距離偵察の再開を命じたプーチン現首相はロシア人の目には「英雄」に映る。プーチン氏は、2005年には自らTu-160を操縦し、称賛を受けた。

■偵察飛行は「善意のしるし」

 Dmitry Kostyunin副司令官は、長距離偵察の再開は「力の誇示ではなく、世界の融和を目指したもの」だと強調した。スクランブル発進を受けたとしても、ロシアのパイロットは仲間意識のようなものを感じるという。「スクランブルをかけた側も、幸せな気分なんじゃないかな。若いパイロットたちはロシア軍機を見ることができるし、ロシア軍機がいかに美しいかを知ることもできる」

 だが、こうしたコメントは、西側諸国から寄せられる数多くの不満とは矛盾している。2月には日本の領空を侵犯したとして、外務省は直ちにロシア大使館に厳重抗議した。

 冷戦時代に長距離爆撃機のパイロットをやっていたというKostyunin副司令官は、「(偵察飛行は)力のシンボルであると同時に、善意のシンボルでもある。われわれのことを知れば知るほど、あなた方はわれわれを愛し、そして尊敬することになるだろう」と話した。(c)AFP/Dario Thuburn

2008年10月1日水曜日

「北朝鮮のミサイル、数分でソウルを攻撃可能」

 北朝鮮全域に25カ所あるミサイル基地から発射されるミサイルは、その大半が発射後3‐7分以内に韓国国内の目標を攻撃することができ、特に休戦ライン付近に配備されたミサイルは1分以内にソウルを攻撃することができるという。25日、国防研究院の金泰宇(キム・テウ)国防懸案研究委員長が発表した。


 金委員長はこの日、米ワシントンのヘリテージ財団が開催した韓米同盟関連のセミナーに出席し、このように主張した。また金委員長は「旧型のパトリオットミサイル(PAC2)や海上用迎撃ミサイルSM2で構成された現在の韓国の防空網では、北朝鮮のミサイル攻撃を防ぐことはできない」と語った。


 金委員長は、米国科学者連盟(FAS)の資料を基に北朝鮮が25カ所のミサイル基地を運用していることを明らかにし、ソウルから127キロ離れた位置にある支下里ミサイル基地から発射されたミサイルは、ソウル攻撃までの所要時間が3分だと述べた。さらに、ソウルから168キロ離れたサンウォン洞ミサイル基地から発射されたミサイルは4分、191キロ離れた玉坪ミサイル基地から発射されたミサイルは5分でソウルを攻撃できるという。

ロシア、外貨準備を取り崩し 企業への貸し付け原資に

 【モスクワ=古川英治】ロシア政府が民間金融機関や企業の対外債務の返済を支援するため、外貨準備を取り崩して対応することが明らかになった。プーチン首相は先に資金繰りの悪化する企業救済を目的に国営ブネシュエコノム銀行を通じた貸し付けを実施すると表明しており、この原資に外貨準備を充てる。世界的な金融不安でロシアでも破綻連鎖の懸念が出ており、異例の対策を迫られた。

 インタファクス通信が29日、政府幹部の話として報じた。ロシアの民間部門の対外債務は石油収入で蓄えた外貨準備高に匹敵する5000億ドル規模とされる。今回の救済策は最大で500億ドルを想定しているという。グルジア侵攻による資金流出の影響もあり、19日時点のロシアの外貨準備高は7月末と比べて約360億ドル減少している。

タイ米輸入、未払い計2億4000万ドル ロシアなど3カ国

 【バンコク=三河正久】タイ商業省はタイからコメを輸入したロシア、北朝鮮、ギニアの3カ国が代金を支払っておらず、1994年から今年8月までの未払い額合計が2億4042万ドルに上っていると明らかにした。

 タイは世界最大のコメ輸出国。3カ国のうちロシアの未払い額は4054万ドルに達する。タイ政府は、ロシア製ヘリコプター8機(約6000万ドル相当)を受け入れ、差額分の約2000万ドルをロシア政府に払い、未払い分を決済することで既に合意したという。近く閣議にこの案を諮る方針。

 北朝鮮とギニアがどのように決済するかは未定だが、商業省筋によると、タイ政府では対ロシアと同様、代替の商品による決済を求める方向で検討しているという。

核物質管理の国際機関「WINS」設立、盗難やテロを防止

【9月30日 AFP】核物質の管理を推進する新たな国際組織「世界核セキュリティー機関(World Institute for Nuclear Security、WINS)」の設立が29日、オーストリアのウィーン(Vienna)で発表された。

 WINSは、ワシントンD.C.(Washington D.C.)を拠点とする米NGO「核脅威イニシアチブ(NTI)」が発案した。核物質管理の専門家や、核関連産業、政府や国際機関が参加する。情報の収集と共有を行う会議を開催し、より安全な管理方法を実践することで、危険物質がテロリストの手にわたるのを防止する。元米国上院議員で、現在はNTIを率いるサム・ナン(Sam Nunn)氏が発表した。

 WINSはウィーン(Vienna)に本部を置き、初期スタッフは5人程度を予定している。国連(UN)の国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、IAEA)と親密な連携をとる。実際、WINSの設立発表は、IAEAの年次総会で行われた。

 NTIのCharles Curtis代表は、WINS専門家の情報共有を目的とした組織であり、規制や警備を行う組織ではないと強調した。(c)AFP

2008年9月24日水曜日

イラン大統領、国連総会で核開発計画の推進を明言

【9月24日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は23日、国連総会(UN General Assembly)での演説の中で、欧米諸国による「迫害」にもかかわらず、核開発計画を推進していくと明言した。

 アフマディネジャド大統領は、「(イランは)迫害には抵抗していくつもりであり、これまで自らの権利を守ってきた。そして、これからも守り続けていく」と述べ、挑戦的な姿勢を示した。

 また、米国とその同盟国を指して、「彼らは他国の発展を阻害しており、技術を独占する傾向をもっている。そして、その独占状態を利用して他国に自らの意思を押しつけている」と強調した。

 イランの核開発については、米・英・仏・独・中・露の6か国が追加制裁について検討しているが、そのうちロシアと中国が消極的な姿勢を見せているという。イランは核開発について、平和的な民生用だと主張している。(c)AFP/Sebastian Smith

2008年9月22日月曜日

エタノール普及は「水」にも影響:米国穀倉地帯で深刻な水不足

農地を、食糧を作る場から燃料を作る場へ変えることの影響について議論が続くなか、新たに水資源の確保という問題が浮上している。

それが特に顕著なのは、カンザス州やネブラスカ州などの穀倉地帯だ。どちらの州も昨今のエタノール燃料ブームの恩恵を受けているが、もともと干ばつの多い地域でもある。

エタノールの原料になるトウモロコシの栽培にはたくさんの水が必要だ。さらに、エタノール製造工場も水を大量に使用する。

約19万キロリットルのエタノールを製造するのには、約57万キロリットルの水を使う。これは小さな町の水の消費量より多い。

カンザス州とネブラスカ州の農地の多くは、水に関しては、リパブリカン川と、両州が共有する地下水層に頼っている。どちらの水資源も急速に枯渇しつつあることが判明しており、すでに利用制限がかけられている。

新たな井戸の掘削は中止され、それに伴い灌漑農地の新規造成もストップしている。

農業従事者の間には不安が広がっている。水の割当量(現在は約7.5水柱インチ[水柱インチは圧力の単位。約1870パスカル])をこれ以上減らされると、灌漑がコストに見合わなくなるだろう。土地価格も下落するかもしれない――そうなれば税収も減ることになる。