2008年9月24日水曜日

イラン大統領、国連総会で核開発計画の推進を明言

【9月24日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は23日、国連総会(UN General Assembly)での演説の中で、欧米諸国による「迫害」にもかかわらず、核開発計画を推進していくと明言した。

 アフマディネジャド大統領は、「(イランは)迫害には抵抗していくつもりであり、これまで自らの権利を守ってきた。そして、これからも守り続けていく」と述べ、挑戦的な姿勢を示した。

 また、米国とその同盟国を指して、「彼らは他国の発展を阻害しており、技術を独占する傾向をもっている。そして、その独占状態を利用して他国に自らの意思を押しつけている」と強調した。

 イランの核開発については、米・英・仏・独・中・露の6か国が追加制裁について検討しているが、そのうちロシアと中国が消極的な姿勢を見せているという。イランは核開発について、平和的な民生用だと主張している。(c)AFP/Sebastian Smith

2008年9月22日月曜日

エタノール普及は「水」にも影響:米国穀倉地帯で深刻な水不足

農地を、食糧を作る場から燃料を作る場へ変えることの影響について議論が続くなか、新たに水資源の確保という問題が浮上している。

それが特に顕著なのは、カンザス州やネブラスカ州などの穀倉地帯だ。どちらの州も昨今のエタノール燃料ブームの恩恵を受けているが、もともと干ばつの多い地域でもある。

エタノールの原料になるトウモロコシの栽培にはたくさんの水が必要だ。さらに、エタノール製造工場も水を大量に使用する。

約19万キロリットルのエタノールを製造するのには、約57万キロリットルの水を使う。これは小さな町の水の消費量より多い。

カンザス州とネブラスカ州の農地の多くは、水に関しては、リパブリカン川と、両州が共有する地下水層に頼っている。どちらの水資源も急速に枯渇しつつあることが判明しており、すでに利用制限がかけられている。

新たな井戸の掘削は中止され、それに伴い灌漑農地の新規造成もストップしている。

農業従事者の間には不安が広がっている。水の割当量(現在は約7.5水柱インチ[水柱インチは圧力の単位。約1870パスカル])をこれ以上減らされると、灌漑がコストに見合わなくなるだろう。土地価格も下落するかもしれない――そうなれば税収も減ることになる。

ユカタン半島のジャングルは「古代マヤ人に高度に管理されていた」

様々な木々がうっそうと生い茂るユカタン半島のジャングルは、どう見ても未開の森だ。アイオワ州などとは違い、人の手が入った様子はどこにもない。

ところが、1000年余り前にマヤ文明が崩壊する以前、このジャングルは高度に管理されていた可能性があることが研究によって判明した。われわれの目には「未開」と映る森に、人間が数千年にわたって手を加えてきた痕跡が見られるというのだ。

「ユカタン半島のジャングルに見られる植物は、マヤの村落共同体において、庭で育てられていた種が野生化したものだ。この森は、人類がアメリカ大陸に上陸する以前から存在したものではない」と語るのは、カリフォルニア大学バークレー校のChristine Hastorf教授(考古学)だ。同教授は人間と植物の長期的な関係を研究している。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の人類学者で、ユカタン半島のベリーズとグアテマラの国境にあるエル・ピラール遺跡を調査しているAnabel Ford氏は、2004年の報告書の中で、マヤ文明が繁栄した地域の森林について、当時の人々が大きく手を加えたことを示す証拠をまとめている。

報告書によると、ユカタン半島の植生は、自然のままの森に比べると、少ない植物種が均等に分布しており、しかも経済的に重要な植物が数多く見られるという。

「人間が好んだ種がいくつか存在する。人間がそれらを森で栽培し、世話や管理をすべて行なっていた」とHastorf教授は説明する。約1100年前にマヤ文明が崩壊した後は、「それらの木々が森を乗っ取る形になった」という。

現在のジャングルは自然の力によって作り出されたように見えるが、ユカタン半島の生態系には「今なお人が手を加えた証拠が残っている」とFord氏は書いている。

この研究は、歴史生態学という新しい学術分野に属している。人間とその生活環境の相互関係を研究する分野だ。

「宇宙で太陽発電、衛星からビームで送る」実験、パラオが関心

西太平洋の小さな島国パラオが、インドネシアのバリ州で開催された『気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)』(2007年12月)において、宇宙太陽発電の実験台になることを申し出た。

宇宙太陽発電にかかる費用はまだ非常に高く、一般への応用は不可能だ。しかし、二酸化炭素を一切排出することなく、必要な場所に直接エネルギーを送れるというユニークな特性は、用途によっては非常に魅力的かもしれない。そうしたニッチ市場の1つが、おそらくこの島国なのだ。AP通信の記事によると、パラオのTommy Remengesau Jr.大統領が関心を示しているとう。

起業家のKevin Reed氏は、超小型の実証実験用衛星を低周回軌道に打ち上げることを提案している。それによって、1000世帯の家庭の電力をまかなうのに十分な量のエネルギーを、毎日地球に放射することが可能になるという。

エネルギーは、まずパラオの無人島の1つに置かれた発電所に送られ、バッテリーの充電に使用できる直流電流に変換される。Reed氏は現在、プロジェクトの遂行に必要な8億ドルの資金調達先を探しているところだ。

宇宙太陽発電には、米航空宇宙局(NASA)をはじめ宇宙開発の関係者たちが以前から関心を抱いてきた。宇宙の太陽エネルギーは、大気を通過した後の太陽エネルギーの8倍にもなるからだ。

気候変動への特効薬にはならないとはいえ、宇宙太陽発電を利用する未来はもはや空想ではない。衛星の打ち上げ費用が安くなりつつある現状を考えれば、なおさらだ。

静止軌道には大型のシステムを打ち上げることができるため、地球上から見て常に同じ位置から、5ギガワット(AP通信の記事によれば「フーバー・ダムの2倍」)の電力を放射することが可能だ。

電力はマイクロ波に変換されて地球に放射されるが、このマイクロ波自体は「電子レンジの扉から放射されるエネルギーと同程度の強さにすぎない」という。

宇宙太陽発電は、米国防総省の国家安全宇宙事務局(NSSO)が2007年秋に75ページにわたる報告書をまとめたことで、さらに追い風を受けている。同報告書は、米軍の国際活動向けの電力供給源として宇宙太陽発電を利用する可能性を検討したものだ。

国防総省にその有用性を納得させることができれば、宇宙太陽発電はさらに大規模な「実証プロジェクト」となるかもしれない。

140倍の水素生成が可能な「遺伝子組み換え大腸菌」

大腸菌は、恐ろしい食中毒を引き起こす菌だ。しかし、テキサスA&M大学で化学工学を専門とするThomas Wood教授は、これに遺伝子工学的な操作を加えることによって、自然に発生する場合の140倍にのぼる量の水素を生成する大腸菌を作り出した。

この大腸菌のいちばんの利点は、生成された水素の分離が非常に簡単だということだ。「気体であり、泡になって出てくる」とWood教授は言う。

6つの遺伝子を選択的に取り除くことによって、大腸菌は、糖が動力源の水素工場とも言えるものになる。

商用化されるまでにはまだ長い道のりがある。だが、Wood教授の技法の最大のメリットは、水素を必要とする現場ですぐ水素を生成できることだ。水素輸送のインフラストラクチャーを構築する必要がなくなり、経済的にも有利だし危険性もなくなる。

『TreeHugger』の「大腸菌が次世代の有望な水素燃料になる?」と『Science Daily』の「大腸菌は未来の燃料源?」を参照した。

最新シミュレーションモデルで「限定核戦争による影響」を予測

地球の裏側で起こった限定核戦争の余波によって、避難するはめになるかもしれないとしたらどうだろう。自分のこととしてよく考えてほしい。

インドとパキスタンとの間の長年にわたる紛争が嵩じて戦争が勃発し、双方の国が相手の国の大都市に対してそれぞれ50の核兵器を使ったと想像してみよう。カラチやボンベイなど南アジアの多くの都市が、第二次世界大戦の最後に広島や長崎が体験したような戦火にさらされることになる、と。

このような状況になると、戦場となった地域の人々を襲う悲劇だけに留まらず、燃え上がる都市からの熱煙流が、地球を覆っているオゾン層に穴を開ける可能性がある。

こういった予測が、局地的な核戦争における大気化学を探る新しい研究から明らかになった。オゾン層の破壊から生じる紫外線放射量の増加により、DNA損傷が2倍以上に上昇するほか、北米と欧州全域でがんの発生率が高まる可能性があるというのだ。

4月7日(米国時間)にオンライン版『Proceedings of the National Academies of Science』(PNAS)で発表された研究報告の共同執筆者で、コロラド大学ボールダー校の大気宇宙物理研究所(LASP)に所属する科学者Michael Mills博士は、次のように述べる。

「われわれの研究は、世界規模の破壊現象があることを裏付けている。これまで予測されていた全面的な核戦争に起因するオゾン層の破壊よりも、さらに大規模なオゾン層の破壊が、限定的な地域紛争によって地球全体で引き起こされる可能性があることをこの研究では示している」

Mills博士の示したモデルは、100の核爆発で、その影響が地球全体に及ぶということを示している。米国が保有している核爆弾の量に比べれば、ほんのひとかけらに過ぎないのにだ。

冷戦時代のソビエト連邦と米国との間で全面核戦争が起きた場合に、どれほどの衝撃が地球にもたらされるかを探った数十年におよぶ研究を経て、最近の研究は、局地的な核戦争に焦点を当てている。局地戦のほうが、全面核兵器最終戦争よりも起こりうる現実性は高いと見られているからだ。

地域的な核戦争が気候に影響し、農作物の収穫量を減少させ、何百万もの人々を餓死させるという研究もある。[『Science』2007年3月号に掲載された論文によると、全面核戦争によって「核の冬」が起こるという予測は、1万発の核爆発に関する予測だったが、100以下の爆発によっても、10年にわたる気温低下が生じるという。]

最新の大気化学モデルを組み込むことで、科学者らは、たとえ小規模な核戦争でも、地球環境と大気の構造そのものに大打撃を与え、20世紀の間に上昇した気温の2倍分程度、逆に気温が下がるケースも考えられるということを明らかにしている(PDFファイル)。[ラトガーズ大学研究者チームによる研究で、論文は『Journal Of Geophysical Research』2007年7月号に掲載された。NASAゴダード宇宙飛行センターによる上空80キロメートルまでをカバーする気候モデルを利用し、さまざまな規模の核戦争による長期的影響をシミュレーションしている。]

今回のMills博士の研究報告では、米国大気研究センターによるモデルを使用し、500万トンの黒色炭素(煤)が大気中に放出された場合の影響について調査している。

一群の都市が一斉に炎上すれば、それによって各都市の気候がそれぞれに変化し、煤は約6000メートル上空にまで吹き上げられることが明らかとなった。煤煙はいったんこれほどの高度に吹き上げられると、太陽光によって温められ、さらに地表から約8万メートルの高さにまで上昇するという。

この間、暖められた煤がさまざまな大気の変化を引き起こし、最終的に、成層圏で地球を保護する日よけとして機能しているオゾンが大きく減少する。

研究では、中間緯度地域で25%から45%、極地域上空では50%から70%、オゾン層が減少すると示された。オゾン層の「穴」として知られるこのオゾンの減少は、南極上空の有名なオゾンホールの何倍もの大きさになるという。

この報告書で挙げられている研究では、北緯45度線上(オレゴン州ポートランドの少し南あたりを通過)で、地球に達する紫外線が増加すれば、DNAの損傷は213%上昇する危険性があるという。

「これは、皮膚がんや白内障に多大な影響があるとともに、農作物や生態系に対して非常に有害となる」とMills博士は語った。

減少したオゾンレベルは5年間持続し、さらにその後5年間、かなりの減少状態が続くと思われる。たとえ戦争の原因が局地的なものだとしても、その影響は地球全体にまで及ぶのだ。

「ほとんどすべての地域に影響が出るだろう」と、Mills博士は結論づけている。

次の環境脅威は窒素汚染:「窒素酸化物が1860年の30倍に」

作物の肥料となる窒素がなければ、世界の食糧は不足する。しかし、人類が窒素の排出量を削減しなければ、海も人類も死滅する。

このように警告する論文が2つ、『Science』誌の5月16日号に掲載された。いずれも『国際窒素イニシアティブ』(INI)の研究者らが執筆したものだ。

1つ目の論文は、これまで行なわれた窒素汚染に関する研究をレビューし、環境中の窒素量の驚くべき増加ぶりを図表で示している。2つ目の論文は、人間の活動によって海に排出される窒素量を数値で表わしている。

「人間の活動はこの100年間、自然界の窒素の循環サイクルに非常に大きな影響を与えてきた。おそらく、炭素の循環サイクルに与えてきた影響さえも上回るだろう」と、2つ目の論文執筆者の1人で、イースト・アングリア大学の生物地球化学者であるPeter Liss氏は話す。

厳密に言えば、問題なのはいわゆる普通の窒素——人間が吸う空気の4分の3以上を占める気体——ではなく、「窒素酸化物」と呼ばれるものだ。

一酸化窒素や二酸化窒素は、広義の活性酸素の一部だ。活性酸素は、通常の酸素分子とは電子の配置が異なるため極めて不安定で、より環境に悪影響を及ぼす可能性が高い。

人類が生成する窒素酸化物の量は、1860年には15メートルトンだった。それが1995年には156トン、2005年には185トンに達した。

年間270億トンという世界の二酸化炭素排出量と比較すると小さな数字に見えるが、今回の論文執筆に参加したバージニア大学の生物地球化学者、James Galloway氏が「窒素の滝(nitrogen cascade)」と呼ぶ現象[窒素が環境中を移動することで及ぼす連鎖的な作用]によって、その影響は増幅されるという。[なお、大気中の二酸化炭素濃度は、産業革命以前に比べて約33%上昇したとされている]

「私の車は今朝、一酸化窒素を大気中に排出した。それは時間の経過とともに大気中を移動し、土壌、水中、沿岸系を経由して再び大気中に戻ってくる。[窒素の排出は]これらすべての過程で影響を及ぼしうる」とGalloway氏。

窒素は産業活動によって排出されるものもあるが、大半は作物の肥料から排出される。窒素と水素、硫酸鉄を組み合わせて化学肥料を作る「ハーバー・ボッシュ法」が、現代農業の主流になっているのだ。

「窒素酸化物の第一の、そしておそらく最も大きな影響は、世界の食糧供給への影響だ。人類が食べるのに十分な量の食物を生産するには、窒素に頼らざるを得ない」とGalloway氏は言う。

しかし、窒素のマイナス面は増える一方だ。窒素酸化物は空気中のオゾン濃度を上昇させ、呼吸器系疾患を引き起こし、作物の収穫量を減らす。また、酸性雨をもたらし、酸素を大量消費する海藻の異常繁殖を促して漁業に被害をもたらす恐れもある。

窒素汚染はいずれ全世界の海を、メキシコ湾のように生物が棲めない場所に変えてしまうかもしれない。現在メキシコ湾には、肥料の流出により、酸素が乏しいために海洋生物が生息できない「デッドゾーン(日本語版記事)」が約1万5000平方キロメートルにわたって広がっている。さらに、海洋窒素は温室効果ガスである一酸化二窒素に変化する[地球温暖化係数は、二酸化炭素を1とすると一酸化二窒素は310とされる]。

Galloway氏によると、燃費や、発展途上国の下水処理能力、作物や家畜に窒素を吸収させる能力を向上させれば、窒素酸化物の排出量を年間53トン(現在の総排出量の約28%)削減できるという。

それで本当に前進と言えるのかと、私はGalloway氏に問いかけた。窒素酸化物の排出量を4分の1削減したとしても、世界の窒素汚染レベルはなお100年前のほぼ10倍だ。

しかし、Galloway氏は楽観的だった。科学者たちは窒素酸化物が問題になりうると何十年も前から警告してきたが、政策立案者や業界関係者が注意を払うようになったのはつい最近のことだ。窒素酸化物対策として現在提言されているいくつかの段階的措置は、ほんの手始めにすぎない、と。