カブール――国連薬物犯罪事務所(UNODC)は29日までに、アフガニスタンにおけるアヘン栽培動向に関する報告書を発表し、政権を追われたイスラム強硬派勢力タリバーンや軍閥が今年のアヘン取引量の約半分に関与している可能性があると指摘した。額にして5億米ドル(約480億円)と推定している。AP通信が報じた。
取引で得た資金を米軍や北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)、アフガン軍への攻撃、市民も巻き込んだテロ準備などに充てているとみている。報告書はまた、タリバーンはアヘンの価格操作を図るため備蓄などの手段も用いていると分析している。
アフガンは、ヘロイン製造の原料となるアヘンの世界最大の生産国。タリバーンが拠点とするアフガン南部ではアヘン取引が増えたともされる。UNODCによると、タリバーンがアヘンから得た収益は昨年で推定1億ドル。今年は激増していることになる。
ただ、今年の生産量については昨年比6%減の約7700トンになったと指摘。栽培に当たった農民も約100万人減ったと推定している。他国へのアヘン密輸額は総額で推定34億ドルともしている。
アフガンでのアヘン栽培の根絶を進めるためには、市場、「研究所」や密輸の車列などを破壊することが重要だと提言。密輸ルートは特に、同国南西部の国境付近に集中しているとも指摘した。
NATOは先月の国防相会議で、アフガンにおける治安維持にアヘン栽培が突き付ける脅威を認識すると共に、ISAFに対しタリバーンなど反政府武装勢力を支援している密輸組織への攻撃を認める決定を下している。
タリバーンは2001年末の米英軍事作戦で政権が崩壊したが、戦力を立て直し、自爆テロなど新たな手口と共に多国籍軍への攻撃を先鋭化させている。
2008年11月29日土曜日
中南米でのプレゼンス強化を図るロシア、立ちはだかる中国
【11月26日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は、アジア太平洋経済協力会議(Asia-Pacific Economic Cooperation、APEC)首脳会議後に中南米諸国を訪問し、米国のお膝元でロシアの存在感を積極的に主張するつもりだ。それに対し、専門家などからはメドベージェフ大統領にとって耳の痛い指摘がなされている――「話題の中心は中国だ」と。 メドベージェフ大統領は、APEC首脳会議開催地のペルー・リマ(Lima)で各国首脳と会談を行い、絶えず上機嫌な様子だった。同行した露メディアの記者団に対しても「同行を望む人がいれば、一緒に旅行を続けましょう」とその後の日程への同行を熱心に勧めた。 メドベージェフ大統領はAPEC終了後、ブラジル、そして反米を掲げるベネズエラとキューバを訪問する予定だ。ベネズエラでは、同国沖で行われるロシアとベネズエラの合同軍事演習を視察することになっているが、これは米国に対する挑戦的なメッセージだと受け止められている。 かつての冷戦時代を思い起こさせるように、メドベージェフ大統領は、ソ連時代に緊密な関係を保っていた中南米諸国とロシアとの新たな関係構築を希望している姿勢を強調する。 だが、露コメルサント(Kommersant)紙は、中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席はリマ市内をオープンカーでさっそうとパレードし、APEC首脳会議でも敬意を払われたことと比較し、メドベージェフ大統領のリマ訪問は「エコノミークラス級」だと指摘する。 同紙はさらに、胡主席が数日前にキューバを訪問し経済援助を惜しげもなく供与したことを挙げ、メドベージェフ大統領に同行してキューバを訪問するロシアの企業関係者たちは、中国企業が見向きもしない契約しか取ることはできないと悲観的な見方を示す。 ロシアと中国は、表面上は上海協力機構(Shanghai Cooperation Organisation、SCO)に属する同盟国だといえる。だが、モスクワ(Moscow)在住の「世界の出来事の中のロシア(Russian in Global Affairs)」誌編集長のフョードル・ルキャノフ(Fyodor Lukyanov)氏はどちらが覇権を握っているかは一目瞭然(りょうぜん)だと指摘する。 ルキャノフ氏は「ロシアと中国は、世界各地、特に中南米において影響力を競っているが、中国の方がはるかに堅固な地位を確保している。国際的な影響力からいうと、別の土俵で戦っているようなものだ」と強調する。(c)AFP/Nick Coleman
2008年11月26日水曜日
「多次元理論」を証明する電子・陽電子対の観測に成功?
新しい実験において、暗黒物質の粒子の存在を証明する初めての直接証拠が見つかった可能性がある。物理学における最大の謎の1つを解明する鍵となるかもしれない発見だ。
理論物理学者たちは、WIMP(Weakly Interacting Massive Particle)でできている暗黒物質が宇宙の23%を構成していると考えているが、これまでWIMPの粒子のいずれかを直接観測した人はいなかった。[WIMPとは、電磁気的な相互作用をほとんど起こさず、電磁波では検出できない粒子からできている「冷たい暗黒物質」のこと]
物理学者たちは今回、ある種のWIMPが可視的な世界に入ることによって生じると予想されるものとほぼ同量のエネルギーを持つ電子を計測したと発表した。
ルイジアナ州立大学のJohn Wefel氏を含む研究チームは、気球式の粒子収集装置『ATIC』(Advanced Thin Ionization Calorimeter)を南極大陸の上空に飛ばし、電子を捕獲して電荷やエネルギーを測定した。[過去記事「反陽子を観測する実験、日米チームが南極で実施」では、文部省高エネルギー加速器研究機構・東京大学・神戸大学・文部省宇宙科学研究所・米国航空宇宙局(NASA)・メリーランド大学などのチームによる南極での研究について紹介している]
この結果として研究チームは、WIMPの対消滅[粒子と反粒子が衝突し、エネルギーや他の粒子に変換される現象]によって生成される、『カルツァ=クライン』的な電子・陽電子対を発見した可能性があるとする研究論文を、11月20日付で『Nature』誌に発表した。
カルツァ=クライン粒子(KK粒子)は、宇宙の多次元理論によって[第5の次元方向に運動量を持つ重量子として]存在が予測されている粒子で、長い間、暗黒物質の構成要素として有力候補の座にある。
今回の新しい発見が確認されれば、時空の構成には、人間が知覚できる4次元だけでなく、多数の「コンパクトな」次元があるという証拠になるだろう。
「カルツァ=クライン理論における対消滅の説明が正しいと証明されれば、こうした多次元宇宙に関するより徹底的な調査が必要になるだろう。これは、われわれの宇宙の理解に重要な意味をもたらす可能性がある」と、研究論文の執筆陣は結論付けている。
天文物理学者らは、目に見えない暗黒物質とダークエネルギーは合わせて全宇宙の約95%を占めると考えており、多くの研究チームがその解明に取り組んでいる。こうした暗黒物質やエネルギーが存在するという証拠の多くは、間接的な観測によって得られたものだ。
物理学者のMyungkook James Jee氏が2007年にワイアードの取材に対して述べた(英文記事)表現を借りれば、「われわれは風そのものを見ることはできないが、それが吹いているのを見ることはできる」というわけだ。したがって、暗黒物質が初めて直接観測されれば、画期的な大発見となるだろう。
だが、今回の新しい発見は、KK粒子の存在を確実に示すものではない。ハーバード大学の天文物理学者Yousaf Butt氏は、今回の研究論文に添えられた論説の中で、これらの高エネルギー電子の生成については、他の天体によって説明できる可能性があると指摘している。
超新星、回転するパルサー、マイクロクエーサーといった天体の残骸が、今回の観測結果をもたらしたのかもしれない。あるいは、さらに奇妙な現象がある可能性もあるという。
「さらに、まったく新しい種の天体物理学上の物体によって、観測された電子過剰が引き起こされた可能性があるということを忘れてはならない。結局のところ、パルサーがようやく発見されたのも1967年だ。さらにおめでたいことに、1992年まで、私たちはマイクロクエーサーについて気づいていなかったのだ」と、Butt氏は記している。
理論物理学者たちは、WIMP(Weakly Interacting Massive Particle)でできている暗黒物質が宇宙の23%を構成していると考えているが、これまでWIMPの粒子のいずれかを直接観測した人はいなかった。[WIMPとは、電磁気的な相互作用をほとんど起こさず、電磁波では検出できない粒子からできている「冷たい暗黒物質」のこと]
物理学者たちは今回、ある種のWIMPが可視的な世界に入ることによって生じると予想されるものとほぼ同量のエネルギーを持つ電子を計測したと発表した。
ルイジアナ州立大学のJohn Wefel氏を含む研究チームは、気球式の粒子収集装置『ATIC』(Advanced Thin Ionization Calorimeter)を南極大陸の上空に飛ばし、電子を捕獲して電荷やエネルギーを測定した。[過去記事「反陽子を観測する実験、日米チームが南極で実施」では、文部省高エネルギー加速器研究機構・東京大学・神戸大学・文部省宇宙科学研究所・米国航空宇宙局(NASA)・メリーランド大学などのチームによる南極での研究について紹介している]
この結果として研究チームは、WIMPの対消滅[粒子と反粒子が衝突し、エネルギーや他の粒子に変換される現象]によって生成される、『カルツァ=クライン』的な電子・陽電子対を発見した可能性があるとする研究論文を、11月20日付で『Nature』誌に発表した。
カルツァ=クライン粒子(KK粒子)は、宇宙の多次元理論によって[第5の次元方向に運動量を持つ重量子として]存在が予測されている粒子で、長い間、暗黒物質の構成要素として有力候補の座にある。
今回の新しい発見が確認されれば、時空の構成には、人間が知覚できる4次元だけでなく、多数の「コンパクトな」次元があるという証拠になるだろう。
「カルツァ=クライン理論における対消滅の説明が正しいと証明されれば、こうした多次元宇宙に関するより徹底的な調査が必要になるだろう。これは、われわれの宇宙の理解に重要な意味をもたらす可能性がある」と、研究論文の執筆陣は結論付けている。
天文物理学者らは、目に見えない暗黒物質とダークエネルギーは合わせて全宇宙の約95%を占めると考えており、多くの研究チームがその解明に取り組んでいる。こうした暗黒物質やエネルギーが存在するという証拠の多くは、間接的な観測によって得られたものだ。
物理学者のMyungkook James Jee氏が2007年にワイアードの取材に対して述べた(英文記事)表現を借りれば、「われわれは風そのものを見ることはできないが、それが吹いているのを見ることはできる」というわけだ。したがって、暗黒物質が初めて直接観測されれば、画期的な大発見となるだろう。
だが、今回の新しい発見は、KK粒子の存在を確実に示すものではない。ハーバード大学の天文物理学者Yousaf Butt氏は、今回の研究論文に添えられた論説の中で、これらの高エネルギー電子の生成については、他の天体によって説明できる可能性があると指摘している。
超新星、回転するパルサー、マイクロクエーサーといった天体の残骸が、今回の観測結果をもたらしたのかもしれない。あるいは、さらに奇妙な現象がある可能性もあるという。
「さらに、まったく新しい種の天体物理学上の物体によって、観測された電子過剰が引き起こされた可能性があるということを忘れてはならない。結局のところ、パルサーがようやく発見されたのも1967年だ。さらにおめでたいことに、1992年まで、私たちはマイクロクエーサーについて気づいていなかったのだ」と、Butt氏は記している。
「誰もが持つ共感覚」――催眠を使っての誘発に成功
心理学者のチームが、催眠を使って、数字が色として感じられる共感覚の状態を引き起こすことに成功した。
このような共感覚は、およそ1000人に1人が生まれつき持っているもので、物理学者のリチャード・ファインマンや、作家のウラジーミル・ナボコフなど、歴史上の著名人にも共感覚者のいることが知られている。
ナボコフは、「『q』は『k』よりも茶色の度合いが強い色をしており、『s』は『c』のようなライトブルーではないが、空色と真珠色の混ざった不思議な色合いをしている」と書いている。
こうした感覚は長い間、空想の産物として無視されてきたが、現在では、知覚の謎を解く入り口と考えられている。ただ、科学的な関心が高まっているにもかかわらず、いまだ共感覚のメカニズムは解明されていない。
研究者の間では、主に2つの仮説が立てられている。どちらも最初の部分は同じで、人間はそもそも、異なる種類の感覚に関連する脳の領域が、互いに連絡しあった状態で生まれてくると考えている。
一方の仮説によると、その後、それらの連絡は発達の過程で失われるが、共感覚者の場合は何らかの形で連絡が残るか、新たに連絡ができるという。もう一方の仮説は、共感覚を生じさせる連絡はただ機能が退化しているだけで、条件が整えばアクセスが可能になると主張している。
このほど『Psychological Science』誌に発表された研究結果は、機能退化説を裏付けるものだ。催眠によって誘発された共感覚が、自然に見られるものと同じかどうかという疑問はまだ残る。しかし、今回の研究結果によって、潜在的な共感覚が実は全く珍しいものではない可能性が高くなった。
イェール大学の心理学者で共感覚を研究するLawrence Marks氏は、今回の研究には参加していないが、次のようにコメントしている。「これほど短時間に誘発がなされたという事実は、脳が新たなニューロンを作ったり、新たな連絡を形成したりしているのではないことを意味する。連絡は常に存在しているのかもしれない」
ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジのRoi Kadosh氏と、スペインにあるムルシア大学のLuis Fuentes氏が率いた研究チームは、女性3人と男性1人の被験者を催眠状態にして、数字を色で知覚するように指示した。1は赤、2は黄、3は緑、という具合だ。
その後、[催眠状態のまま]目を開けた被験者は、対応する色をした背景に黒のインクで印刷された数字をなかなか見つけられなかった。数字が背景に溶け入って見えたためで、これは共感覚を示すものだ。催眠状態が解かれると、共感覚は消えてしまった。
共感覚がなぜこのような短時間で生じるのかは不明だが、研究チームによると、新たな神経連絡が形成されているわけではなさそうだという。「そのような解剖学的な連絡が新たに生じ、機能し始め、そして突然退化するというのは、今回の実験のような短時間では考えられない」と研究論文には書かれている。
代わりに研究チームは、脳の感覚を扱う各領域を隔てている神経の壁が、催眠によって取り除かれた可能性を示唆している。イェール大学のMarks氏も同じ考えを示したが、その一方で、今回の研究結果から安易な推断を下すことには警告を発した。共感覚には、感情が見えるというものや音を味覚で感じるものなど多くの種類があり、神経学的、心理学的な原因はそれぞれに異なる可能性があるためだ。
このような共感覚は、およそ1000人に1人が生まれつき持っているもので、物理学者のリチャード・ファインマンや、作家のウラジーミル・ナボコフなど、歴史上の著名人にも共感覚者のいることが知られている。
ナボコフは、「『q』は『k』よりも茶色の度合いが強い色をしており、『s』は『c』のようなライトブルーではないが、空色と真珠色の混ざった不思議な色合いをしている」と書いている。
こうした感覚は長い間、空想の産物として無視されてきたが、現在では、知覚の謎を解く入り口と考えられている。ただ、科学的な関心が高まっているにもかかわらず、いまだ共感覚のメカニズムは解明されていない。
研究者の間では、主に2つの仮説が立てられている。どちらも最初の部分は同じで、人間はそもそも、異なる種類の感覚に関連する脳の領域が、互いに連絡しあった状態で生まれてくると考えている。
一方の仮説によると、その後、それらの連絡は発達の過程で失われるが、共感覚者の場合は何らかの形で連絡が残るか、新たに連絡ができるという。もう一方の仮説は、共感覚を生じさせる連絡はただ機能が退化しているだけで、条件が整えばアクセスが可能になると主張している。
このほど『Psychological Science』誌に発表された研究結果は、機能退化説を裏付けるものだ。催眠によって誘発された共感覚が、自然に見られるものと同じかどうかという疑問はまだ残る。しかし、今回の研究結果によって、潜在的な共感覚が実は全く珍しいものではない可能性が高くなった。
イェール大学の心理学者で共感覚を研究するLawrence Marks氏は、今回の研究には参加していないが、次のようにコメントしている。「これほど短時間に誘発がなされたという事実は、脳が新たなニューロンを作ったり、新たな連絡を形成したりしているのではないことを意味する。連絡は常に存在しているのかもしれない」
ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジのRoi Kadosh氏と、スペインにあるムルシア大学のLuis Fuentes氏が率いた研究チームは、女性3人と男性1人の被験者を催眠状態にして、数字を色で知覚するように指示した。1は赤、2は黄、3は緑、という具合だ。
その後、[催眠状態のまま]目を開けた被験者は、対応する色をした背景に黒のインクで印刷された数字をなかなか見つけられなかった。数字が背景に溶け入って見えたためで、これは共感覚を示すものだ。催眠状態が解かれると、共感覚は消えてしまった。
共感覚がなぜこのような短時間で生じるのかは不明だが、研究チームによると、新たな神経連絡が形成されているわけではなさそうだという。「そのような解剖学的な連絡が新たに生じ、機能し始め、そして突然退化するというのは、今回の実験のような短時間では考えられない」と研究論文には書かれている。
代わりに研究チームは、脳の感覚を扱う各領域を隔てている神経の壁が、催眠によって取り除かれた可能性を示唆している。イェール大学のMarks氏も同じ考えを示したが、その一方で、今回の研究結果から安易な推断を下すことには警告を発した。共感覚には、感情が見えるというものや音を味覚で感じるものなど多くの種類があり、神経学的、心理学的な原因はそれぞれに異なる可能性があるためだ。
ディーゼル燃料を自然に生成する真菌、熱帯雨林で発見
パタゴニア(アルゼンチンとチリの南部)の熱帯雨林の木々の内部に生息する真菌が、ディーゼル燃料に驚くほどよく似た炭化水素の混合物を自然に作り出すことを、生物学者たちが11月3日(米国時間)に発表した。
この真菌は、セルロースを分解して取り込み、成長することができる。木の幹や草の葉、茎などを構成する主要要素であるセルロースは、地球上で最も豊富に存在する炭水化物だ。
モンタナ州立大学の植物学者であり、『Microbiology』に発表された今回の発見を説明する論文の主執筆者を務めたGary Strobel教授はこう語る。「[生成する]気体の分析結果を見たとき、私は仰天した。ディーゼル燃料のもとになる物質が見つかったのだ」
遺伝子工学の研究者たちは、さまざまな技術や遺伝子を使って微生物に糖やデンプンから燃料を作らせようと試みているが、現在の商用バイオ燃料生産のほぼすべては、100年前と同様の穀物の乾式粉砕工法を利用している。エタノール工場では、トウモロコシの実を発酵させてアルコールを作っている。これは単純な方法だが、トウモロコシという植物全体を形作るバイオマスのかなりの部分を無駄にしている。
植物のセルロース(トウモロコシの実ではなく茎や、ポプラの木の部分など)を使って液体燃料を作ることは、環境的な効率が高く、原料費も安くなるが、はるかに難しいため、長年の夢となっていた。
まず、セルロースを、その構成要素である炭素を含む糖に分解する必要がある。次に、この糖をより複雑な炭化水素に合成しなければならない。これまでの研究では、どちらの処理も、大量の熱、圧力、または薬品を加えることなく実行するのは困難なことが示されてきた。
米農務省林野部の太平洋南西部研究所で細胞壁の形成を研究する植物遺伝学者のAndrew Groover氏は、次のように述べる。「このような処理には多くのエネルギーをつぎ込む必要があり、大量の薬品も必要だった。そこで、これを解決するアプローチの1つが、自然界において日常的に木を分解している有機体を探すことだ。たとえば、木を腐らせる菌、真菌類、シロアリなどだ」
今回発見された真菌「グリオクラディウム・ロゼウム(Gliocladium roseum)」の何が素晴らしいかといえば、セルロースを分解できるだけでなく、液体燃料を合成できることだ。
「生産工程の1つを省略できるだろう」と、Strobel教授はプレスリリースの中で述べている。
とは言うものの、論文の執筆者たちは、その手法がいかなる工業生産ともかけ離れていることを認めている。
論文には次のように書かれている。「この論文は、グリオクラディウム・ロゼウムを代替燃料源にするための、費用効果などの詳細に関する情報を提示するものではない。この真菌の最終的な価値は、炭化水素の合成を制御する遺伝子または酵素にあると考えられ、本論文はこのことを商業的な事業にする開発計画を導くために必要な第一歩だ」
この真菌のゲノムは、Gary Strobel教授の息子である分子生物学者のScott Strobel教授の指揮のもと、イェール大学で分析される予定だ。
しかし、バイオ燃料の生産に利用すること以外にも、興味深い点がある。Strobel教授はこの真菌について、原油は化石燃料であるという考えに疑問を投げかけるものだと述べている。われわれが通常、原油の構成要素と考えているものを作り出せるためだ。
「このような有機体が、世界に存在する原油の少なくも一部を生成した可能性がある」とStrobel教授は述べている。
[月桂冠綜合研究所では、稲藁や籾殻などのセルロースから、「スーパー酵母」を使って直接エタノールを作成する技術を発表している]
この真菌は、セルロースを分解して取り込み、成長することができる。木の幹や草の葉、茎などを構成する主要要素であるセルロースは、地球上で最も豊富に存在する炭水化物だ。
モンタナ州立大学の植物学者であり、『Microbiology』に発表された今回の発見を説明する論文の主執筆者を務めたGary Strobel教授はこう語る。「[生成する]気体の分析結果を見たとき、私は仰天した。ディーゼル燃料のもとになる物質が見つかったのだ」
遺伝子工学の研究者たちは、さまざまな技術や遺伝子を使って微生物に糖やデンプンから燃料を作らせようと試みているが、現在の商用バイオ燃料生産のほぼすべては、100年前と同様の穀物の乾式粉砕工法を利用している。エタノール工場では、トウモロコシの実を発酵させてアルコールを作っている。これは単純な方法だが、トウモロコシという植物全体を形作るバイオマスのかなりの部分を無駄にしている。
植物のセルロース(トウモロコシの実ではなく茎や、ポプラの木の部分など)を使って液体燃料を作ることは、環境的な効率が高く、原料費も安くなるが、はるかに難しいため、長年の夢となっていた。
まず、セルロースを、その構成要素である炭素を含む糖に分解する必要がある。次に、この糖をより複雑な炭化水素に合成しなければならない。これまでの研究では、どちらの処理も、大量の熱、圧力、または薬品を加えることなく実行するのは困難なことが示されてきた。
米農務省林野部の太平洋南西部研究所で細胞壁の形成を研究する植物遺伝学者のAndrew Groover氏は、次のように述べる。「このような処理には多くのエネルギーをつぎ込む必要があり、大量の薬品も必要だった。そこで、これを解決するアプローチの1つが、自然界において日常的に木を分解している有機体を探すことだ。たとえば、木を腐らせる菌、真菌類、シロアリなどだ」
今回発見された真菌「グリオクラディウム・ロゼウム(Gliocladium roseum)」の何が素晴らしいかといえば、セルロースを分解できるだけでなく、液体燃料を合成できることだ。
「生産工程の1つを省略できるだろう」と、Strobel教授はプレスリリースの中で述べている。
とは言うものの、論文の執筆者たちは、その手法がいかなる工業生産ともかけ離れていることを認めている。
論文には次のように書かれている。「この論文は、グリオクラディウム・ロゼウムを代替燃料源にするための、費用効果などの詳細に関する情報を提示するものではない。この真菌の最終的な価値は、炭化水素の合成を制御する遺伝子または酵素にあると考えられ、本論文はこのことを商業的な事業にする開発計画を導くために必要な第一歩だ」
この真菌のゲノムは、Gary Strobel教授の息子である分子生物学者のScott Strobel教授の指揮のもと、イェール大学で分析される予定だ。
しかし、バイオ燃料の生産に利用すること以外にも、興味深い点がある。Strobel教授はこの真菌について、原油は化石燃料であるという考えに疑問を投げかけるものだと述べている。われわれが通常、原油の構成要素と考えているものを作り出せるためだ。
「このような有機体が、世界に存在する原油の少なくも一部を生成した可能性がある」とStrobel教授は述べている。
[月桂冠綜合研究所では、稲藁や籾殻などのセルロースから、「スーパー酵母」を使って直接エタノールを作成する技術を発表している]
露、外国軍需貨物の領内通過を初めて許可 アフガン駐留独軍向け
【11月21日 AFP】ロシア外務省は20日、ドイツ軍がアフガニスタン駐留部隊向けに輸送する軍需物資のロシア領内通過を承認したと発表した。同省の声明によると、許可は10日に出され、「共通の問題への取り組みや治安問題などの分野における、ドイツとの緊密な協力関係を強化するため」として、兵器や軍事品の領内通過を認めている。 ロシアは4月以降、フランスやドイツなどがアフガニスタンに展開している北大西洋条約機構(NATO)軍部隊向けに行う物資輸送について、非軍需物資に限って領内通過を認めている。ただ、軍需物資輸送を許可するのは初めて。第2次大戦で戦火を交えたドイツが相手とあって、非常に象徴的な協定となった。 ドイツ軍はシベリア鉄道を利用し、中央アジアを経由してアフガニスタンに物資を輸送するとみられる。(c)AFP
中国経済にかげり、家財を売る人も
【11月25日 AFP】中国の中小企業経営者らが加盟する経済団体は24日、資本金30億元(約430億円)のベンチャーキャピタルファンドを設立することを発表した。好調を続けてきた中国経済も、世界金融危機の影響でかげりが見え始め、金を工面するために所持品を売り払う人びとも増えている。(c)AFP
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