2009年4月10日金曜日

送電網に不正侵入? 米国のインフラ途絶が狙いか

米政府の元関係者によれば、電力、ガス、通信などのインフラを担うコンピュータシステムから不正プログラムが見つかったという
ワシントン(CNN) 米国で送電網などのインフラを担うコンピューターシステムに何者かが侵入し、不正なプログラムが仕掛けられていたと、米政府の元関係者2人が証言した。最悪の場合は送電が途絶えたり、インフラが破壊されたりする恐れもあったとされる。
元関係者の1人がCNNに語ったところでは、送電網に不正プログラムが見つかったのは2006か2007年だったという。同じようなプログラムは石油会社やガス会社、通信会社、金融サービス会社のコンピューターシステムからも見つかったことがあるという。
セキュリティ専門家によれば、背後にはロシアや中国が絡んでいる可能性もあり、将来的に米国との間で軍事衝突が起きた場合に米国の安全を脅かす狙いがあるとみられる。
米国土安全保障省のナポリターノ長官は8日、不正侵入があったかどうかについては明言を避けたが、「私の知る限りでは、これまでにインフラへのサイバー攻撃によって電力網などに被害が出たことはない」と語った。
電力・エネルギー網に対するサイバー攻撃の危険性については何年も前から認識しており、攻撃を防ぐための対策を講じていると同長官は強調。電力、通信などの公共インフラ提供各社とも協力して、サイバー防衛の強化に努めていると説明した。
米中央情報局(CIA)の元工作員ロバート・ベア氏によると、中国などの国が常に米国のコンピューターに侵入しようと狙っているという話は、情報当局者の間では常識だという。ただし今回伝えられたような個別のケースについては知らないとしている。