2010年9月22日水曜日

バチカン銀行、資金洗浄に関与か 伊司法当局が捜査開始

ローマ(CNN) ローマ法王庁(バチカン)の財政管理組織である「宗教事業協会(バチカン銀行)」がマネーロンダリング(資金洗浄)に関連した疑いがあるとして、イタリア当局が21日までに捜査を開始した。

イタリアの中央銀行「イタリア銀行」関係者によると、バチカン銀行が行った2件の送金に関して、マネーロンダリング(資金洗浄)防止を目的とした法律に違反する送金の疑いがあることをイタリア銀行が把握し、司法当局に通報した。本件の捜査に近い情報筋によれば、司法当局は通報を受けた時点ですでにバチカン銀行への捜査を開始していたという。

疑惑の対象は、バチカン銀行がイタリアの銀行クレジト・アルティジャーノに預けていた資金の2回にわたる送金で、法律に定められた送金者の情報などを明らかにしないまま、他行に送金しようとした。送金金額は一方が2000万ユーロ(約23億円)、もう一方が300万ユーロ(約3億4000万円)だった。イタリア国内メディアは、司法当局が同行の資産3000万ユーロ(約34億円)を押収したと報じている。

バチカン銀行は21日、金融業務には「完全な透明性」を期しており、捜査に「困惑している」との談話を発表した。

マネーロンダリングの専門家ジェフリー・ロビンソン氏は、バチカン銀行は「世界でもっとも秘密に包まれた銀行」で、広大な不動産などを収入源とする同行の資金の動きを、外部が把握することはほぼ不可能だと指摘する。バチカン市国は独立国家であるため、イタリアの司法当局がどこまで捜査を進められるかは不明。

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