2009年3月18日水曜日

「警察がスパイウェアで個人のパソコンを捜査」:世界で拡大

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Photo: AP

英内務省は、英国の警察あるいは情報局保安部(MI5)の職員が、電子メールの傍受や、コンピューターを使うその他の行動の監視を許可する令状を得ることなく、家庭やオフィスなどのコンピューターに侵入することを認める提案を支持している。

欧州連合(EU)閣僚会議からのこの提案は、英国住民が犯罪に関与している疑いがあって欧州の他の国々から要請を受けた場合、英国の警察が、対象者のコンピューターにスパイウェアをインストールするというものだ。

このような監視活動を実行するのに必要な唯一の条件は、「重大な」犯罪(少なくとも3年間の実刑判決の可能性があるあらゆる犯罪)を捜査する上で、上級の捜査官がこれを「適切」かつ必要だと判断することだ。たとえばテロ行為、小児性愛、個人情報やクレジットカード情報の窃盗などの容疑者が対象となる可能性がある。

遠隔からの操作を可能にするため、捜査機関は対象者のコンピューターにウイルスを含んだ電子メールを送信したり、住居に侵入してキーロガーをインストールしたり、あるいはワイアレス・ネットワークの近くに監視用の車を差し向けてトラフィックを傍受したりできることになる。

英国の警察は、すでにコンピューターを遠隔から監視する権限を持っている。1990年代に成立した法律が根拠だ。しかし、英『Times』紙日曜版『Sunday Times』によると、こうした遠隔監視はどうやら現在までほとんど実施されなかったようだという。EUの提案は、フランスやドイツなど、あらゆるEU加盟国が、英国住民の監視を要求できるようにするものだ。

[過去記事「FBI、スパイウェアを捜査に活用」では、米国でスパイウェアが捜査に使われている例を詳説している。こうした監視は盗聴の許可がなくても可能とされており、その根拠になっているのは、インターネットを利用中のユーザーは、データの「プライバシーに対する期待」を抱いていない、という考え方だという。

また、オーストラリアでも、2004年に成立した「Surveillance Devices Act(監視装置法)」の下、警察は容疑者のコンピューターにスパイウェアやトロイの木馬、キーロガーをインストールすることができる]

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