2009年6月10日水曜日

北朝鮮の地下核実験:規模等をどう測定するか


画像は別の英文記事より

北朝鮮は25日(現地時間)に核実験を行なったが、各国の情報機関が集めようとする計測情報(MASINT)の最初の手がかりは地震データだ。[a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Measurement_and_Signature_Intelligence" target="_blank">計測情報(MASINT)は情報機関が扱う情報タイプのひとつで、ほかに公開情報、電波情報、画像情報、人的情報がある]

米国地質調査所は、25日に北朝鮮でマグニチュード4.7の地震が発生したと報告した。[包括的核実験禁止条約(CTBT)準備委員会では4.52、日本の気象庁は5.3を観測したと発表している]。

これらのデータは、2006年に北朝鮮が初めて核実験を実施したときに発生した揺れよりも大きい。2006年では、米国地質調査所はマグニチュード4.2、CTBT準備委員会は4.0、韓国では3.58〜3.7、[日本は4.9]と発表している。[CTBTの推定では、今回の核実験の規模は前回の約4倍としている]

地震の波形は発生場所の地質によって異なるが、都合のよいことに、核実験が行なわれたのは[北朝鮮北東部にある]咸鏡北道吉州郡の豊渓里で、中国の新華社通信によると、北朝鮮が2006年10月9日に最初の核実験を実施した場所と同じだという。つまり、地理的な点で同一条件による比較対象実験のようなものができる可能性があるのだ。

地下核実験では多くの場合、地表の陥没によるクレーターが生じる。写真は1980年代に米国ネバダ州にある地下核実験場で撮影されたもので、以前行なわれた地下実験で生まれたクレーターが見える。英文Wikipediaより

もちろん、手に入りそうな情報は地震データだけではない。もし、たとえば実験現場の地表に穴が開いた場合(文末に動画を掲載)は、放射性雲(プルーム)が存在することを意味し、測定も可能だ。これが測定できれば、小型核爆弾のシミュレーションを行なうために従来型の爆発物が使われた場合を除外するのに役立つ。

核関連条約の監視と核事象の検出を行なう米国空軍技術応用センター(AFTAC)は、核物質の痕跡を示す粒子を検出できる空気試料採取装置とフィルターを装備した空中給油機『Constant Phoenix』(以下の画像)を保有している。


Photo credit: 米国空軍

冷戦中、米国では同種の航空機による部隊を保持していたが、現在では1機しか残っていない。2006年には北朝鮮付近を飛行して、同国初の核爆発の発生を確認した。Constant Phoenixが再び多忙な日々を送っていることは間違いない。

[以下の動画は、地下核実験をテーマにしたサイトで紹介されていたもの。他にも多くの動画や画像が紹介されている]


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