2009年11月28日土曜日

青少年の75%が軍に不適格:「肥満」「軟弱」が急増

米軍の調査によると、米国の17〜24歳の若者のうち75%以上が、兵役につくことには不適格だという。たとえ本人が望んだとしてもだ。

Army Timesの記事によると、軍に不適格とされる若者たちは、太りすぎか病弱か、知能が遅れているか、扶養家族が多すぎるか、あるいは違法薬物使用による逮捕歴があるというものだ。[「医療的・身体的理由」が35%、「違法薬物の使用」が18%、「全人口の10%以下にあたる知能」が9%、「18歳以下の扶養家族が多い」が6%、「犯罪歴」が5%]

軍としては、喘息持ちや、マリファナをちょっと使った程度の志願者には、こうした制約を免除しても構わないと考えている。しかし、軍が最も懸念していることは、入隊者たちが肥満し軟弱になったことだ。

「不適格の主要原因は肥満だ」と、米国防総省の採用責任者であるCurt Gilroy氏は、Army TimesのWilliam McMichael氏に語っている。「腕立て伏せができないだけではない……懸垂ができないし、走れないのだ」

現在、18〜34歳の23%が肥満に該当する。ちなみに1987年には、この割合はわずか6%だった。[同記事によると、軍が根拠としているのはCDC(米疾病予防管理センター)による全国統計。BMI(ボディマス指数)30以上が肥満とされている]

米国の若者における「兵役志願傾向」が下降している現在、志願者集団はますます減少している、と社会科学者は述べている。Gilroy氏によると、米国の兵役資格のある若者を対象とした調査結果では、兵役に興味を示したのはおよそ12%だったという。

この1年間、不況の影響で、軍は大量に採用することが可能だった。だが経済は回復し始め、アフガニスタンでの戦争が長期化する中で、志願者から成る軍隊の維持を、[兵役に関心がありしかも適格と見なされる]少数の若者たちに頼るのは、ますます厳しくなっていくだろう。

方法は2つに1つだ。採用した新兵自体を変えるか、採用基準を変更するかだ。――空軍の新しいサイバー軍団[電子戦・情報戦・サイバー戦を担当する]では、何度も懸垂ができる人材は必要ないことだろう。

[米国では、ベトナム戦争終結後の1973年以降、徴兵を停止しているが、選抜徴兵登録制度は行なわれている。米国の将兵の数は2006年で144万人。就業人口に対する比率は1.0%、総人口に対する比率は0.5%にあたる]

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