2009年11月28日土曜日

莫大な石油を消費する「中東の米軍」

イラクとアフガニスタンにおける戦争には、なぜこれほど費用がかかるのだろうか? これには大きな理由がある。米国陸軍では、1日あたり1人の兵士につき、22ガロン(約84リットル、1ガロンは約3.785リットル)の石油燃料を消費している(PDF)のだ。そして石油を戦場へ運ぶのには、1ガロンあたり45ドル以上の資金がかかる。

これは、Deloitte社(デロイト・トーマツ・コンサルティング)の調査による情報だ。筆者の友人であるPaul McLeary氏が、『Aviation Week』で紹介している。

実際のところ、1ガロンあたり45ドルというのはかなり安く見積もった計算だ。海軍によると300ドルから400ドルらしい。

だが、これほどの燃料の大量消費にかかる代償は、金額だけでは計ることはできないと、Deliotte社の調査報告では警告している。燃料は、アフガニスタン国内の隔絶された基地へと輸送しなくてはならない。これは、米軍部隊がゲリラ的な爆弾攻撃にあい、兵士が死亡する危険性を伴う。

Deliotte社によると、「戦略の変更が行なわなければ、現在のアフガニスタン戦争では、結果として2014年までに米国兵士の犠牲者が124%(1年あたり17.5%)増加する可能性がある」という。

米国防総省は化石燃料に対する依存を軽減するため、世界最大規模の太陽熱発電所(日本語版記事)やハイブリッド車、[残飯や廃プラスチックなどの]廃棄物で動く発電機(日本語版記事)など、あらゆる取組みを行なっている。だが、これらの取組みの多くは、国防総省の米国内事業のエネルギー効率を向上させることに集中している。戦場の部隊に関しては、いまだ従来のペースで燃料が消費されているのが現状だ。

[Deloitte社は第二次大戦から現在の中東戦争までの米軍の年量消費量も比較しているが、それによると、現在の1日・1人あたりの消費量は、ベトナム戦争時の1.75倍だという]

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