2009年7月25日土曜日

「オバマの米国」に好感、イスラム世界は例外 米調査

(CNN) 世界各地での米国へのイメージは、オバマ政権が誕生した今年、昨年までと比べて大きく好転していることが米調査機関ピュー・リサーチ・セン ターによる国際世論調査で明らかになった。ただ、中東諸国では米国への不信感が根強く、イスラム世界との和解を打ち出したオバマ大統領の「カイロ演説」に 大きな効果はなかったとみられる。

調査は世界25カ国・地域の2万7000人を対象に、5月18日から6月16日にかけて実施された。

それによると、欧州諸国やアフリカ、中南米の主要国では、米国に好感を持つ人の割合が大幅に上昇し、「オバマ大統領は国際問題に正しく対処するだろ う」との回答が圧倒的多数を占めた。フランスとドイツではオバマ大統領への信頼を示す人が約9割に上り、それぞれサルコジ仏大統領、メルケル独首相への支 持を超える勢いをみせている。

またアジアでも、オバマ大統領を信頼していると答えた人の割合は、日本が85%、韓国が81%、インドが77%、中国が64%という高水準を記録した。

報告書は「多くの国で、対米感情はブッシュ前政権が発足する前のレベルまで回復しているようだ」と分析している。

一方イスラム世界の対米感情は、ブッシュ前政権時代に比べて改善しているものの、好感を示した人はトルコで14%、パレスチナ自治区で15%、パキ スタンで16%にとどまった。ただし、オバマ大統領が少年時代の一部を過ごしたインドネシアでは、昨年の37%から一気に63%まで上昇した。

調査期間中の6月4日、オバマ大統領はエジプトのカイロ大学で演説し、中東和平ではパレスチナ国家樹立が「唯一の解決策」と言明した。調査の結果、米国への好感はパレスチナで前年の14%から19%とわずかに上昇したが、イスラエルでは76%から63%に低下した。

ただ、イスラム教徒の間では昨年まで、国際テロ組織アルカイダの最高指導者オサマ・ビンラディン容疑者がブッシュ前大統領より信頼されていたが、今回はオバマ大統領への信頼感が同容疑者を上回る数字となった。

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