2008年11月4日火曜日

「冬時間への移行は心臓にやさしい」 スウェーデン研究

ニューヨーク(AP) 多くの欧米諸国ではこの時期、夏時間(サマータイム)が終了し、時計の針を1時間戻して冬時間(標準時間)に移行する。この制度が健康に与える影響を調べたスウェーデンの研究チームによると、冬時間への移行直後は心臓発作の発生件数が減少し、夏時間に切り替えた後は逆に件数が増えることが明らかになった。

スウェーデンの国立健康福祉局で睡眠と健康の関係などを研究しているチームが、米医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の最新号に報告した。

チームのメンバーが夏時間への移行後に眠気やだるさを感じた経験から、研究を思い立ったという。考えられるさまざまな影響のうち、特に心疾患に注目。同国では心臓発作の発生状況が詳細に記録されており、チームでは1987年から2006年までのデータを分析した。

夏時間と冬時間の切り替えは、日曜日に実施される。研究チームはまず、各年の移行日から7日間の発生件数を調べ、それぞれについて2週間前、2週間後の同じ曜日の数字と比較した。それによると、冬時間から夏時間への移行日に続く週は、発作が平均5%増加していたことが分かった。月、水曜日は前後の同じ曜日と比べて6%、火曜日は10%も多かった。一方、夏時間から冬時間に移行した翌日の月曜日は、発作が5%減少していたという。

夏時間が始まる日曜日には時計を1時間進めるため、翌日の月曜日はそれまでより1時間早く起きることになり、睡眠時間が短縮する。逆に冬時間になった直後の月曜日は、いつもよりゆっくり眠っていられることになる。わずか1時間とはいえ、これが体調に大きく影響するというのが、研究者らの見方だ。睡眠時間の増減は血圧や血糖値、血中コレステロール値、血管の状態など、循環器系にさまざまな変化を引き起こすことが知られている。

この研究を受け、米ミシガン大睡眠障害センターのロナルド・チャービン所長は「現代人は普段から睡眠不足に陥りがちだが、夏時間に移る時は数日前から毎日15分ずつ早く起きるなどして調整すると、体への負担が抑えられる。冬時間への移行日には、1時間長くなる睡眠時間を体調管理にうまくいかすよう心がけて」とアドバイスしている。

0 件のコメント: