2008年11月21日金曜日

右脳と左脳、構造の違い発見 生理研

 自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の重本隆一教授らのグループは、右脳と左脳の構造の違いをマウスの脳で初めて見つけた。記憶や空間認識をつかさどる「海馬」という部位で、神経同士のつなぎ目であるシナプスの大きさや形が異なることを明らかにした。ヒトの脳の仕組みの解明にも役立つ成果だという。 右脳が空間を認識し、左脳は言語機能を担うなど、左右の脳の働きの違いは心理学的な研究で分かってきたが、構造の違いを解明したのは初めてという。米科学アカデミー紀要の電子版に掲載された。 マッシュルームのような形をしているシナプスを電子顕微鏡で観察した結果、右脳は左脳より総じて1.5倍程度大きく、かさに当たる部分も広がっていることが確認された。神経に情報を伝える化学物質グルタミン酸のセンサーが右脳のシナプスに多くあることも分かった。右脳の方が情報伝達の効率がよくなっているとみられる。

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