2008年7月9日水曜日

米国:ネオコンが「イランの弱さ」を指摘

米国の親イスラエル的な専門家らから、イランは軍事的に米国やイスラエルに弱い立場にあり、イスラエルがイランによって「生存上の危機」に立たされているなどということはない、との指摘が出された。この専門家らはまた、イランが核開発競争に邁進しているとの見方も否定している。



【ワシントンIPS=ガレス・ポーター、6月30日】

 親イスラエル的な米国の論者から、米国やイスラエルに対してイランは軍事的に弱い立場にあると指摘する意見が出てきている。これは、イランによって「生存上の危機」に立たされているというイスラエルの公式見解には反する見方だ。

 「ワシントン近東政策研究所」(WINEP)のパトリック・クローソンとマイケル・アイゼンシュタットの2人は、イランは軍事的に弱体でありイスラエルがイランを攻撃することは可能だと6月に発表した論文で指摘した。

 たとえば、2006年夏にイスラエルがレバノンのヒズボラに対して加えた攻撃や、昨年9月にシリアのある場所に対して行った攻撃などからすれば、イランからの反撃を恐れることなくイラン攻撃を行う空軍力をイスラエルは持っていると両氏は考える。

 軍事的にみれば、イスラエルは中東において長年にわたり抜きん出た地位にあったと思われる。1970年代にサウジアラビアで任務についていた元CIAのレイ・クローズは、1973年の中東戦争のあと、イスラエル空軍はサウジアラビア北部の基地に対して低空飛行を繰り返していたと回顧している。

 また、クローソンとアイゼンシュタットは、イランが核開発競争に邁進しているとの見方も否定し、たんに中東における影響力拡大のためにかなりゆっくりとした歩みで核兵器開発を進めつつあるに過ぎない、とした。

 レバノンのヒズボラがイランの代理人として機能しているとの見方についても、米国がイラン攻撃を始めた場合に、ヒズボラが自動的にそれに反撃することになるかどうかは未知数だと述べている。

 このようにして彼らは、イランを軍事的に攻撃する根拠を、イランの強さよりその弱さに求めていることになる。

 イランに対するネオコンの新しい見解をガレス・ポーターが検討する。

0 件のコメント: