2008年7月24日木曜日

腎臓提供者に補償、「合法な腎臓売買」検討 シンガポール

シンガポール(AP) シンガポールのコー・ブンワン保健相は21日、腎移植を必要とする患者に腎臓を提供した家族や親類以外の人物に対し、補償として相応の金銭を渡す方針を検討していると明らかにした。実質上の「合法な腎臓売買」となるため、議論を招いている。 


コー保健相は、「あちこちに生き続けたいと願う患者がいて、片方にはより良い生活のために腎臓をお金に換えたいと考える貧しい人々がいる。この状況は、臓器売買を違法としても消えないばかりか、血みどろの闇市場を生み出すだけだ」と述べ、腎臓移植を取り巻く現状を説明。 


「過激で物議を醸すからという理由だけで、腎臓提供者に補償するという考え方を否定してはならない。倫理に反することなく、他人の気持ちを傷つけることなく、有意義な補償の道を探ることができるのではないか」と訴えている。 


同相によると、シンガポールでは年間、約1000人の腎臓病患者が新たに判明し、約40%が発症1年目で亡くなっているという。 

また、腎移植手術は毎年、必要としている患者のうち50%しか受けておらず、これを70%にまで高めたいとしている。 


シンガポールでは臓器や血液の売買は禁止されている。違反した場合は禁固1年ならびに罰金が科せられる。

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