2008年7月6日日曜日

オランウータン生息数が激減、緊急対策なければ絶滅もと

バンコク――世界でもインドネシアとマレーシアだけに生息するオランウータンの生息数が激減し、緊急対策を講じなければ絶滅する初の大型類人猿になる恐れがあることが5日分かった。AP通信によると、米アイオワ州にある大型類人猿の保護団体「Great Ape Trust」が警告した。 


これによると、インドネシア西部スマトラ島に住む個体数は2004年以降、約14%減少し、7500頭が6600頭になった。同国カリマンタン島(マレーシア名ボルネオ島)では10%減り、5万4千頭が4万9600頭に後退した。 


森林の不法伐採が進み、ヤシ油農園の拡大が進んでいることなどが背景要因としている。過去30年、さまざまな保護努力が打ち出されている中、減少に歯止めが掛からないことに危機感を深めている。地球温暖化対策で、両国はバイオ燃料の農園拡大に踏み切っており、オランウータンの生息地がますます縮小する懸念にも触れた。 


別のオランウータン保護団体は今年5月、カリマンタン島中央部に生息する個体数は2004年の3万1300頭から約2万頭に激減したと報告。この推定数字に基づき、2011年までに絶滅する恐れがあると指摘していた。 


ただ、アイオワ州の団体はインドネシアのユドヨノ大統領が昨年、バリ島で開催した気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)でオランウータン保護対策を打ち出したことを好感。スマトラ島のアチェ州の政府が伐採中断を発表するなど保護に向けて期待が持てる動きが出てきたことを評価した。 


オランウータン絶滅を防ぐためには、売買目的の不法捕獲を根絶する法的対策の強化や、生息地周辺の住民の保護の意識を徹底させることも必要と強調している。

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