【ロンドン 9月9日 IANS】「イヌとネコは一緒に暮らせない」という定説を覆す研究結果を、イスラエルのテルアビブ大学(TAU)が発表した―生後6か月までのネコを生後1歳までのイヌより先に飼えば、両者が仲良く共存できる可能性が高まるという。
研究を主導したTAU動物学科のJoseph Terkel教授は、「条件さえそろえば、イヌとネコが互いのボディーランゲージを学び合うことが分かりました」と語る。
Terkel教授らは、イヌとネコの両方を飼う家庭約200世帯を対象に聞き取り調査を実施。さらにペットの行動を録画したビデオテープを分析した。
研究の結果、これらの世帯の3分の2ではイヌとネコが良好な関係を築いていることが判明。一方、25%の世帯ではイヌとネコが互いへの関心をまったく示さず、同じく10%では争いが絶えないことが明らかになったという。
イヌとネコでは感情の表現の仕方が異なる。怒りを表す時、ネコは尾を動かすが、イヌはうなり声を出して背をアーチ状に曲げる。また喜びを表現する時、ネコがノドを鳴らすのに対し、イヌは尾を振る。目をそらすことで、ネコは敵意、イヌは服従を表現することも知られている。
しかしTerkel教授は研究の結果、イヌとネコが本能を乗り越え、互いのボディーランゲージを理解するようになることが明らかになったと説明する。また互いの表現方法を知ったイヌとネコは一緒に遊んだり、鼻と鼻をつき合わせてあいさつをしたり、ソファの上で仲良く眠ったりするようになるという。同じボウルから水を飲み、互いの毛づくろいをするケースも報告されている。
「仲が悪いとされるイヌとネコが共存することを学べるのですから、気の合わない人間同士が仲良くすることも可能なはずです」とTerkel教授は語る。たとえ「犬猿の仲」であっても隣人同士、同僚、あるいは超大国の首脳同士が、イヌとネコのように協調できることを研究は示唆しているのかもしれない。
今回の研究結果は国際応用動物行動学会(ISAE)の学術誌「Applied Animal Behaviour Science」に掲載されている。(c)IANS
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