2008年9月19日金曜日

米軍の心理学主任「メディアは米兵の精神に悪影響」

米兵は今すぐこの記事を読むのをやめた方がいい。戦う気力が損なわれるかもしれないから。

米空軍特殊作戦司令部の作戦心理学主任を務めるCarol Green大佐によると、メディアが容赦なく流し続ける悪いニュースが、米兵の「立ち直る力を弱めている」という。

歴史や政治などをテーマとする優れたブログ『Entropic Memes』もとりあげているが、Green大佐は2006年のプレゼンテーション(PDF)において、「大手メディアが一貫して、人間の行為と世界の出来事についての否定的な面を提示している」と述べた。

その結果、「多くの人々がもはや、苦しい状況を『人生の現実』と許容できなくなっている」という。


Green大佐はさらに次の点を挙げている。

立ち直りを妨げる否定的な影響がこれほど広範に行き渡っていることで、新兵――および経験を積んだ兵――の体力や忍耐力、回復力が損なわれる可能性がある。

このような状況下で――不安、恐怖、利己主義、短気、怒り、およびその結果として――愚かな判断――が、気付かぬうちに広がっているのだ!

一見して明らかなダッシュ(―)の使いすぎについては、ここでは追及しないでおこう。

Green大佐の言葉は、メディアに対する激しい非難と取られるかもしれないが、同様の主張をする他の軍関係者と比べれば、実はかなり穏やかだ。

たとえば、陸軍が最近行なったプレゼンでは、メディアを他の「脅威」――アルカイダ、ハッカー、外国の情報局など――と一緒くたにしていた[脅威を「従来からあるもの」「新しいもの」「外部」「内部」の4つの軸で分類。メディアは麻薬カルテルとともに「内部にある、新しい脅威」と分類された]。

また、新たに承認された陸軍の規定では、実質的に記者と外国スパイを同等に扱っている。つまり、兵士たちの精神をむしばみ衰えさせる、悪魔のような記者たちは、その行為だけでテロリストや犯罪者と同レベルに「昇格」させるにふさわしい、というわけだ。

ありがたいことに、Green大佐は軍関係者に向けて、こうした不快なブログ、新聞、テレビ番組、雑誌などすべてに対抗する手段があると保証している。

「陰険なほど否定的なメディアの雰囲気の中で回復力を養うために、兵士たちに必要なこと」として、同大佐は5ヵ条の行動を挙げている。例えば、「つらい問題について率直に話す」、「自分たちの肯定的な傾向や行動を自ら認識する」「リーダーからの明確で肯定的な期待」などだ。

おっと! これは、今どきの若者を「自己中心的な褒められ中毒(日本語版記事)」にしたと米軍が批判したところの、「甘やかし」と似たようなものではないか?

[ワイアード・ブログ『Danger Room』の別記事(英文記事)は、1週間に120人の退役軍人(20歳から24歳)が自殺しており、これは一般の自殺率の2倍にあたる、というCBSの報道について、(この分析は不正確であるという意見も含めて)取り上げている。]

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