2008年9月22日月曜日

プラスチックを短期間で分解するバクテリア、高校生が特定

プラスチックが分解されるまでには何千年という時間がかかる。だが、科学博覧会に参加した16歳のDaniel Burd君は、たった3ヵ月でプラスチックを分解することに成功した。

カナダのオンタリオ州ウォータールー市に住む高校2年生のBurd君は、かりに1000年かかるとしても、何かがプラスチックを分解しているに違いない、その「何か」はたぶん、バクテリアだろうと考えた。

(地球のバイオマスの半分から90%までの範囲において、バクテリアは、生物学的神秘の謎を解く鍵として、かなり有力な候補になる)

『The Record』紙の記事によると、Burd君は、土にイースト菌を混ぜ水を加えたものの中に、粉状にしたプラスチックを入れて、30度にした。すると、自然界に放置した場合より早く、プラスチックが分解された。

温度や条件を変えながら何度も実験した末、Burd君は、プラスチックをムシャムシャ食べる微生物の正体を突き止めた。1つは緑膿菌(Pseudomonas)属で、もう1つはスフィンゴモナス(Sphingomonas)属だった。[上の記事によると、緑膿菌属がポリスチレンを分解するという既存の研究はあるが、ポリエチレンを分解するという研究は初めてとされる。]

Burd君は、この発見を産業レベルに採り入れるのは簡単なはずだと言う。醗酵槽と培地、それにプラスチックがあれば、バクテリアは、プラスチックを食べて熱を発し、必要なエネルギーのほとんどを自らに供給する。副産物も、水と少量の二酸化炭素が出るだけだ。

驚くべき話だ。私は、この時代においてもっとも手に負えない環境問題の1つを解決してしまったかもしれないこの若者に、近いうちに取材を申し込もうと思っている。それと同時に、Burd君が通う高校ではもう学年末のパーティーが終わってしまったのかどうかが気になって仕方ない。Burd君がキングに選ばれないなら、この世はどこか間違っている。

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