2008年8月18日月曜日

肥満指数と心臓病リスクの関係に疑問符 米研究

シカゴ(AP) 心臓病や脳卒中を引き起こす恐れがある高血圧、高コレステロールなどのリスク要因と、肥満傾向との関連は、一般に考えられているより弱いとの研究結果を、米ミシガン大の専門家らがこのほど発表した。全米の成人5440人の検査結果を、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った「肥満指数(BMI)」に基づいて分析した。 


検査は1999年から2004年にかけて、連邦政府が実施。同大で肥満を研究するメリーフラン・ソワーズ氏らがこれを分析し、内科学専門誌「アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン」の最新号に報告した。 


研究チームはまず、対象者をBMI25未満の「標準」、同25以上の「太り気味」、同30以上の「肥満」と3つのグループに分け、それぞれについて、心臓病などのリスク要因とされる血圧、コレステロール、中性脂肪、血糖値の4項目を調べた。 


この結果、太り気味グループの約51%は、異常が0または1項目にとどまっていたことが判明。全米の人口に換算すると、3600万人が「太り気味だが低リスク」に当たると推定される。また、肥満グループでも3分の1が低リスクと判定された。一方で、標準グループのうち、2項目以上で異常値を示す人が約4分の1を占めることも明らかになった。全米に換算して1600万人が、「標準体型だが高リスク」に分類されることになる。チームではこの結果について、「肥満指数で標準の判定が出ても、心臓病リスクが低いとは限らないことが確認された。太っている人はもちろん、そうでない人も注意が必要だ」と説明している。 


研究ではまた、2項目以上に異常がみられる高リスクの判定は、高齢者や喫煙者、運動不足の人に多いとの傾向が明らかになった。さらに、内蔵脂肪量の目安となる胴囲と、リスク要因との関連性も指摘された。BMIによる標準グループの中でも、胴囲の大きい人ほど高リスクとなり、太り気味・肥満グループの中でも、胴囲の小さい人ほど低リスクとなる傾向がみられたという。

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