2008年8月20日水曜日

短距離ミサイル 露、南オセチアに配備 CNNなど報道 米は撤去要請

8月19日16時7分配信 産経新聞
 【ワシントン=山本秀也】CNNテレビなどの米メディアは18日、複数の米政府筋の話として、ロシアがグルジア・南オセチア自治州内に短距離弾道ミサイル「SS21」を配備したと一斉に報じた。米政府は公式確認を避けながらも、「仮に配備されたのであれば、撤去されるべきだ」との表現で、ロシアにミサイル撤去を求めた。

 グルジアでの紛争で、弾道ミサイルの投入が伝えられたのは初めて。SS21は旧ソ連時代に開発された移動式弾道ミサイルで、射程圏は120キロ。同自治州の州都ツヒンバリ付近に展開しているとされ、首都トビリシを含むグルジア領の中心部がすっぽりと射程圏内に入る。

 ロシア軍の侵攻部隊は、旧式に属するT72型戦車などが中心だった。弾道ミサイルの配備は短距離型とはいえ、国土の狭いグルジアへの脅威拡大を示す。米紙ニューヨーク・タイムズは、グルジアの北大西洋条約機構(NATO)加盟を牽制(けんせい)する目的との見方を伝えた。

 国防総省は「情報収集活動に関してコメントできない」とし、国家安全保障会議(NSC)のジョンドロー報道官もロシアの個別装備には言及を控えるとしながらも、紛争開始以降に配備されたのであれば、撤去を求める考えを示した。

 米側は、ロシア軍の動向を密に監視するとし、軍事偵察衛星などによる情報収集を強化していた。

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